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半導体の入門者が世界半導体ランキングについて調べてみた(2/2)

前回に引き続き、半導体世界ランキングに出てくる企業について調べてみた。今回は11位から20位まで。

nakachan.hatenablog.jp

11位 STMicroelectronics(スイス)

欧州のSTMicroelectronicsが11位。アナログ・車・マイコンが稼ぎ頭。デジタル製品の収益性が問題。

STMicroelectronics | Investor Information | Investor Relations

12位 Infineon Technologies(ドイツ)

1999年にシーメンスから分離独立して誕生した半導体専業メーカー。自動車向け半導体世界第2位、パワー半導体世界第1位。売上も自動車向けとパワー半導体で7割以上を占める。

www.infineon.com

13位 Apple(アメリカ)

まさかのAppleが登場。半導体を他社向けに販売しているのではなく、自社向けのiPhoneiPadに使用される「A◯チップ」の設計を行なっている。iPhoneの販売台数が膨大であるため、それに必要な半導体の個数も多くなりトップ20入りを果たした。

investor.apple.com

14位 MediaTek(台湾)

消費者向けSoC大手のMediaTekスマホタブレットウェアラブル端末、TV、DVD向けのチップや、Wi-FiBluetoothGPSNFCなどの無線チップなどの設計を行っている。

www.mediatek.com

15位 ルネサスエレクトロニクス(日本)

自動車向け半導体メーカー世界第3位(1位はNXP Semiconductors、2位はInfineon Technologies)。日立、三菱電機NECのSoC部門を分離して誕生した。2013年に産業革新機構に救済され、経営再建中。現在の主力は自動車・産業用向けマイコン。弱みのアナログ半導体を補完するため、米半導体メーカーのインターシルを2016年9月に買収することを発表した。

www.renesas.com

16位 ソニー(日本)

CMOSイメージセンサー世界最大手(金額ベース)。アップルやサムスン、中国のスマホメーカーなど世界中のスマホメーカーにイメージセンサーを提供している。

www.sony.co.jp

17位 SanDisk(アメリカ)

NANDフラッシュメモリ大手のSanDisk東芝と合弁を組んでいる。2016年5月にHDD大手Western Digitalに買収された。

www.sandisk.co.jp

Western Digital Corporation - Investor Relations

18位 nVidia(アメリカ)

GPU大手のnVidiaが登場。現在、CPUの内部にGPUの機能が含まれていることが多いため、一般消費者向けは今や主力ではない。現在の主力はゲーミング用途、プロ用途(3D CADなど)、データセンター用途、自動車用途。一般消費者向けがほぼ消滅したのにも関わらず、売上は上昇傾向。

investor.nvidia.com

19位 AMD(アメリカ)

CPU、GPUシェア第2位のAMD。またPS4、Xbox OneWii UのAPUやGPUに採用されている。ゲーミング用途、データセンター用途、組み込み用途が主力。ただ赤字が続いており、2016年、2017年に投入する新アーキテクチャで巻き返しを図る。

quarterlyearnings.amd.com

20位 ON Semiconductor(アメリカ)

自動車・産業・航空向けアナログ半導体、パワー半導体に強い半導体メーカー。2011年に三洋半導体、2016年にFairchild Semiconductorを買収した。

オン・セミコンダクター投資関連 - ONNN

まとめ

事業

トップ20にはロジック、メモリ、通信、アナログ、イメージセンサなど様々な事業を営んでいる企業が登場し、特にこの分野が多いということはなかった。しいて言うならば、トップ10のうち4社がメモリ関連であった。これはメモリ大手がファブレスではなく工場・設計・販売の垂直統合型の事業であり、設備投資に莫大な負担がかかるため、現在ではDRAMで3社寡占(サムスン、SKハイニックス、マイクロン)、NANDフラッシュで3連合寡占(サムスン東芝・サンディスク連合、マイクロン・インテル連合)となっており1社の割合が大きくなっているためではないかと考えられる。

地域

アメリカが11社、日本が3社、韓国が2社、オランダ、スイス、ドイツ、台湾が1社ずつ。アメリカが過半数を占めており、圧倒的な強さを誇る。半導体が弱いと言われる日本もトップ10に1社、トップ20には3社入っており、意外に健闘している。にもかかわらず弱いと言われてしまうのは、1980年代の驚異的な強さ(1989年のトップ10のうち6社が日本企業)からの凋落や、韓国、台湾などの近隣諸国で半導体産業が強いこと(韓国は主にメモリ、台湾はファウンドリ)などが挙げられそうである。

ファブレス

半導体ファブレスのイメージも強いが、実際は20社中6社のみである。当然この割合は自動車や鉄鋼などの他の製造業に比べると大きいが、ファブレスでないと生き残れない、というほどの割合ではない。ただし、垂直統合型のビジネスモデルだった企業でも、ファブライト化を進めるところ(ルネサスなど)や逆にファウンドリビジネスを開始するところ(インテルなど)もでてきており水平分業に傾きがちな産業ではある。